インボリュート歯車の設計方法


木の時計パーツボード

 時計のような精密機器にはサイクロイド歯車が使用されることが多いですが、木時計スタジオでおすすめしている歯車はインボリュート歯車です。

 サイクロイド歯車は、人類が歯車を使用し始めた初期から存在するもので、歯面がサイクロイド曲線になっています。触れ合う歯面の磨耗が一様で、滑り速度が小さいので磨耗に強くて、摩擦ロスが少なく、まさに小さな力で効率良く長期間使用される時計に適している歯車なんですが、弱点がひとつ。歯車同士の中心間距離をピタリと合わせないと、性能が発揮できず、結局ロスの多い機構になってしまう点です。

 湿度や温度変化による伸縮や変形に耐えなければならない木製ギアには不向きです。

 インボリュート歯車であれば、中心間距離は結構ラフでよく、適当に噛み合っていればスムーズに回ってくれます。また、歯元を太くして高強度にできるのも、木時計にぴったりのメリットです。でもゆくゆくは上級者向けってことで、サイクロイド歯車にも挑戦してみたいなと思います。

 さて、インボリュート歯車には機械的特徴以外にもメリットが。それは図面作成が簡単な点。製造コストが安いなどの理由で最もポピュラーになったインボリュート歯車には、自動で図面を作図してくれる多くのサービスがあります。



木の時計パーツボード

 私が利用しているのが、カナダのwoodgears.caというサイトのGear template generatorです。歯数やピッチを数値指定することで、CADデータを自動生成してくれるすばらしいウェブサイトです。 ダウンロードできる形式はHPGL形式という聞きなれない形式ですが、Vectorソフトライブラリにて公開されているフリーソフト「NCコンバータ」を使用して、いったんGコードに変換してDXFファイルに変換することで、きれいな曲面の歯車図面を作成できます。この一連の操作、しばらくお世話になりそうです。

平成25年10月 kitokei studio